くび  肩 症状

施術法の説明も脚から始まって上に上がってきて肩まできました。今回は肩と関連がある首の説明をしていきたいと思います。通常肩こりの施術としましては首から肩のつながりを意識してします。一番メインの僧帽筋という筋が後頭骨(頭)から肩背中までひし形のようについています。首から肩(肩甲骨)につながる筋肉として肩甲挙筋があります。後頭骨から鎖骨につく筋肉として胸鎖乳突筋があります。このように首(頭)から胴体(肩)までをつないでる筋肉として首~肩間は1セットで考える必要があります。

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よくある肩こりの範囲とツボという画像は以前にも出しましたがこれは肩こりの時につかう考え方です。左の筋肉の画像と一緒にみるのですが肩井(けんせい)が僧帽筋のツボで肩外兪(けんがいゆ)というのが肩甲挙筋のツボです。どちらも押せば肩こりに効くところです。いづれもはっきりとした筋の割れ目や骨がでている目安がありますのでわかりやすいです。

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※肩井は肩上部をつまむとわかる、肩外兪は肩甲骨上角というところにある

以上が肩についてのやるべきツボですが、これだけでは不十分です。これら筋肉の始まりは頭や頸椎からきているのでその始まりのところから施術しなければなりません。頭や頸椎から下方向へ筋肉が広がっているということは頭、頸椎から肩を吊っているととらえることができます。そして頭痛の話ともつながってきます。筋肉が肩の重さで頭を引っ張っているともとらえることができますので「頭が重い」とはまさに肩のせいで重いといっても過言ではありません。肩こりと頭痛の関連性がここにありです。

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上の図のように僧帽筋は後頭骨から生えていて胸鎖乳突筋なんかも後頭骨の乳様突起(耳の後ろの出っ張ったところ)からスタートして鎖骨まで張っています。

斜角筋というのは首の骨・頸椎(横突起)から肋骨についています。

図にはありませんが肩甲挙筋も頸椎1~4の横突起から出て肩甲骨上角についています。

そしてこういった筋のスタート地点に押すべきツボがあります。

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僧帽筋に関わるツボは天柱(てんちゅう)、風池(ふうち)です。胸鎖乳突筋は完骨(かんこつ)です。これらは後頭部痛に効果を表します。

肩甲挙筋、斜角筋にかかわるツボは胸鎖乳突筋の後ろを押します。天牖(てんゆう)、天鼎(てんてい)というようなところです。胸鎖乳突筋の前方にも天容(てんよう)、天窓(てんそう)などほかにもたくさんツボがあるのですがこの辺りは頸動脈や気管がありますので押したり鍼をしたりはしません。

 

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図のように胸鎖乳突筋は耳の下あたりから鎖骨に向かって斜めに走っています。胸鎖乳突筋を境に前は押さないようにすると覚えてください。

 

首を動かしたときに肩にひびくと患者さんが訴えることがあります。大体肩外兪(肩甲骨上角)あたりを指してここが凝っているといいます。そういう時にひたすら肩を施術するのではなく、首のツボを施術します。そうするとコリが取れる場合があります。これも原因は離れたところにあることの一例です。