コリ 叩くのはダメ

巷にはコリほぐし器具として電動で叩打するような器具が販売されていますが
・筋肉の負担
・コリが取れる仕組み
の観点から、私は良いものとは思いません。

確かに叩くと筋肉が収縮し、血流も良くなり疲労物質(発痛物質)を流してくれます。ただこれを起こすだけなら数回程度で良いはずです。
筋肉の収縮を起こしてあげれば良い訳ですから。
伸張反射といって筋肉は叩く(引き伸ばされる)と収縮します。
伴って血流の動きも活発になります。

※話は変わりますが血流を良くしてコリをほぐしたいのでしたら
湯船に浸かることです。温めることで血管を拡張します。

ただ10分以上とか行うものではないでしょう。
気持ちいいからとかいう理由で長くやりがちではありませんか?
夜叩打治療をして朝悪化していたり、疲れたりした経験はありませんか?
これはやり過ぎです。筋肉をつぶしているだけです。
程度によりますが、殴られることと同等だと思います。

コリというのは不明瞭に広範囲に出ることが多いです。
ただこれは関連痛と言って
ある一点(トリガーポイント)を押すと軽減するのです。
トリガーポイントは鍼灸のツボと通ずるところがあるポイントです。
トリガーポイントと関連痛の位置を覚えるか、運動学からポイントを予測
する必要があるので一般の方には難しいですが
少なくともやみくもに範囲を叩けばいいというわけではないです。

特に首・肩というような狭い部分を
大雑把な接触面の器具やこぶしで叩くというのは推奨しません。

首・肩というのは結構シビアです。
正確なら劇的に良くなりますが、間違っていると一向に良くなりません。
あと一部分がよくなると別の箇所が悪くなったように感じる
まるで移動しているかのように錯覚することもあります。
これは深追いするのは悪手です。体のバランスがおかしくなります。

どこが原因かすぐにはわからないため
全体的に叩こうとする気持ちはわかりますが
ちゃんと体の動きや構造を理解してどこにコリがたまりやすいかを見極め
そのポイントを刺激することのほうが効率的です。

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